初診時 年齢 12歳4ヶ月
主訴 出っ歯
診断 上下顎前歯部叢生 上顎2│2舌側転移による下顎後退

診断 上下顎前歯部叢生 上顎2│2舌側転移による下顎後退

 

治療経過と解説

一見、この写真を見ると出っ歯と思いますよね。しかし、この子を出っ歯(上顎前突)と診断してしまうと治療方法を誤ります。答えはすでに書いていますが、まずこの子は上顎の前歯が出ているのでは無く下顎が後退しています。奥歯の噛みあわせを見ると、(特に左側が)あと歯半本分前に位置するとすごく良い噛み合わせになるのになぁ・・・と思って上顎前歯部を見てみると・・・ありました。下顎が後ろに下がる原因が。

2番目の歯が捻転し、内側に位置しているため噛むと下顎が後ろに位置してしまうのです

2番目の歯が捻転し、内側に位置しているため噛むと下顎が後ろに位置してしまうのです。もし綺麗に並んでいれば、下の前歯の位置はもう少し前にきているはずです。

尤も、生え変わりの順番としては下顎のほうが先に生え変わることが多いので、下の歯並びの乱れが上顎の乱れを生み出したかもしれません、がどちらにしろ顎の成長不足に違いはありません。

治療方針は、まず上下顎の前歯の乱れ(叢生)を直すため平行拡大装置を使用しました。

2010年6月

2010年6月 2010年6月

2011年1月

2011年1月 2011年1月

半年でかなり叢生が改善されてきました。 あと少しというところですかね。

しかし、かみ合わせの位置は習慣的に後方で噛む癖になっていますので、現在装置での治療とあわせてバイオセラピーを行っています。

下顎が後方位 下顎が前方位

左:下顎が後方位   右:下顎が前方位

下顎が後方に位置するということは、単に見た目が悪くなるだけではありません。下顎の後ろには気道があります。下顎が後方に位置することで舌の位置も下がり、気道を圧迫することで睡眠時無呼吸症候群を引き起こす原因になっているとも考えられています。これは、歯列弓が狭いことでも起こるようです。

最近は小学生のおよそ40%が歯が綺麗に並ばないほど顎が小さくなってきているとも言われています。自分の歯が並ばない顎の大きさは成長不足の結果と考えられ、ガタガタの歯並びに気づきながら成長が終わるまで待つよりは、気付いた時に正しい成長になるように助けてあげることも必要と考えます。

2011年7月の状態

上の写真が、2011年7月の状態です。

上顎も下顎も、一年前のような叢生(歯の重なり)は無くなりました。

あともう少しです。正しいかみ合わせの位置で噛む練習が大事になります。