初診時 年齢6歳3ヶ月
主訴 前歯の生え方がおかしい
診断 上顎1│1翼状捻転 上顎歯列弓狭窄 上唇小帯付着異常

前歯の生え方がおかしい 前歯の生え方がおかしい

治療経過と解説

上顎1│1(一番前の歯2本)の状態を翼状捻転(翼状に歯が回転している)といいます。この子の場合その原因は2つあり、1つは歯が生えるための場所が狭かったため、もう1つは上唇小帯(上顎の真ん中のスジ)が太く裏側までしっかり入り込んでいることです。

治療としては、奥歯のかみ合わせに問題が無かったので、前歯部の歯列拡大のためファンタイプの拡大床を選択し、あわせて上唇小帯切除術を行いました。

ファンタイプの拡大床を選択 ファンタイプの拡大床を選択

上唇小帯の付着異常は、このような歯列不正を起こす場合があります。単純なツッパリだけなら放っておいても良いかも知れませんが、歯並びに関わるような場合は切除が必要です。しかも歯列不正を起こすほどのしっかりした小帯は、ただ横に切るだけでは不十分です。

小帯にそって、骨膜下切開を口蓋側までしっかり入れて剥離し、上方へ引き上げ、縫合します。

症例1 症例1

この子は、頑張って一日20時間床装置を入れていたので、開始が6月 終了が10月と4ヶ月で拡大が終了しました。

4ヶ月で拡大が終了 4ヶ月で拡大が終了

翼状捻転は、まだ残っていますが、前歯部を拡大したことによってスペースに余裕ができました。

後は、永久歯の生え変わりの状態をみながらバイオセラピーと閉鎖型装置で改善させていきます。

2010年6月 2010年12月

左:2010年6月  右:2010年12月

2011年1月 2011年7月

左:2011年1月  右:2011年7月

ほぼ、一年でいい状態になりました。

装置は拡大床が一個63000円と閉鎖型が一個31500円の計二個 94500円 それと月一回の再診料1500円を含めて治療期間約一年間、費用はおよそ100,000円で治療が終了しました。

もし、放置されていればもっと治療期間も費用もかかっていたでしょう。

歯並びは、一生の問題です。正しく噛めない子が、正しい顔の成長も、正しい身体の成長もありません。

将来この子は、この時点で治療を決断してくれたご両親に必ず感謝してくれるでしょう。

あとは、永久歯に生え変わるのを待つ間に、しっかり噛んで食べることを意識してもらうだけです。

現在、3か月に1回の定期検診に来てもらっています。